前回は大腰筋の話をしました。
骨盤の深部にある筋肉が、リンパのポンプとして働いているという話でしたね。
今回はその大腰筋と深いつながりを持つ「横隔膜」と呼吸の話です。
呼吸でむくみが変わる、と聞いてもピンとこないかもしれませんが
仕組みを知ると納得できると思います。

横隔膜は、肺の下に傘のように広がっている筋肉です。
息を吸うと横隔膜が下に下がり、肺が膨らむ。
クラゲが泳ぐように動きます。
息を吐くと横隔膜が上に戻り、肺が縮む。
呼吸のたびに上下に動き続けている筋肉です。
1分間に15〜20回、一日にすると2万回以上動いています。
これだけ動いているということは、
横隔膜は身体の中でかなり大きなポンプになっているということでもあります。
リンパ管は心臓のように自分で強く拍動することができません。
筋肉の動きや体の圧力変化を利用して、少しずつ流れています。
息を吸うとき、横隔膜が下がって胸腔(肺のある空間)の圧力が下がります。
この圧力の変化がリンパ管に影響して、リンパ液が上の方へ引き上げられる。
呼吸するたびにこの動きが繰り返されることで、全身のリンパ循環が助けられています。
特に、胸の中心部には全身のリンパが集まってくる太い管があります。
横隔膜の動きはそのすぐそばで起きているので、呼吸の影響をダイレクトに受けます。

デスクワーク中、自分の呼吸を意識したことはありますか。
集中しているとき、人は呼吸が浅くなりがちです。
画面を見ながら前傾みになり、胸が縮んだ姿勢が続く。
そうすると横隔膜の動きも小さくなって、リンパを引き上げるポンプとしての働きが弱まります。
一回の呼吸が浅くなるだけでも、それが何時間も続けば影響は積み重なります。
夕方にむくみがひどくなるのは、重力の影響だけでなく、
一日分の浅い呼吸が積み重なった結果でもあるかもしれません。
少し専門的な話になりますが、横隔膜と大腰筋は筋膜を通じてつながっています。
深い呼吸をすると横隔膜がよく動き、その動きが筋膜を通じて大腰筋にも伝わります。
前回お話しした大腰筋のポンプ作用も、呼吸と連動して働いているんです。
逆に、大腰筋が硬くなっていると横隔膜の動きも制限されやすくなります。
座りっぱなしで大腰筋が固まり、呼吸も浅くなり、リンパの流れが滞る
この3つはバラバラに起きているのではなく、ひとつながりの問題です。

鼻からゆっくり息を吸って、口からゆっくり吐く。
前回紹介した「坐骨を立てる座り方」をしてから深呼吸してみてください。
骨盤が立った状態だと横隔膜が動きやすくなるので、
呼吸の深さが変わるのを感じられると思います。
3回にわたって、むくみと骨盤・大腰筋・呼吸の関係をお伝えしてきました。
脚がむくむのは脚だけの問題ではなく、体の深部の筋肉や、
毎日何万回も繰り返している呼吸とも関係している。
そのことが少しでも伝わっていたら嬉しいです。
具体的にどんなことをしていけばいいかは
また動画でまとめたいと思いますのでお楽しみに。