ストレッチをしてもまた硬くなる人へ | 緩めると伸ばすの違い | 福岡の大濠にあるピラティス・ヨガ スタジオKANON(カノン)

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身体のこと

ストレッチをしてもまた硬くなる人へ | 緩めると伸ばすの違い

毎回しっかりストレッチしているのに、次の日はまた同じところが硬くなっている。

ストレッチした次の日、脚がちょっと筋肉痛みたいになった。

 

こういうことありませんか。

 

その原因の多くは、ストレッチで「緩める」と「伸ばす」を同じように扱ったことにあります。

 

この2つは、似てるようで筋肉の中で起きていることがまったく違います。

その違いは、筋紡錘とゴルジ腱器官という2つのセンサーの働きで説明できます。

 

この記事では、2つのセンサーの働きから「緩める」と「伸ばす」の違いを整理します。

 

「硬い」には2種類あります

「硬い」とひとことで言っても、筋肉の中で起きていることは2種類あります。

 

1つ目は、筋肉が自分で縮み続けている硬さです

筋肉は、脳や脊髄から「縮め」という指令が来ると縮み、指令が止まると緩みます。

同じ姿勢が長く続いたり、緊張やストレスが続いたりすると、この指令が止まらなくなります。

 

指令が出っぱなしなので、縮んだまま硬くなっています。

パソコン作業のあと、肩の緊張がずっと入ってて抜けない。

寝ているときも歯を食いしばっていて、朝起きると顎が疲れている。

これが1つ目の硬さです。

 

この硬さに必要なのは、指令を止めること。

つまり緩めることです。

 

2つ目は、ある長さ以上に伸びないように止められている硬さです

 

筋肉を伸ばしていくと、ある長さで神経が

「これ以上は危ない」と判断して、筋肉を縮めて止めます。

この危ないと判断して止める長さは、普段どれだけ伸ばしているかで変わります。

 

長い間伸ばしていない筋肉ほど、止める長さが短くなっています。

筋肉やそのまわりの膜そのものも、伸びにくくなっています。

 

前屈すると太ももの裏が突っ張って、手が床に届かない。

しゃがむとかかとが浮く。

これが2つ目の硬さです。

 

この硬さに必要なのは、止められる長さを少しずつ先に広げること。

つまり伸ばすことです。

 

この2つを混同すると、1つ目の硬さに一生懸命ストレッチをしてしまいます。

でも、伸ばしても「縮め」の指令は止まらないので、すぐ元に戻ります。

 

筋肉の状態を感じ取る、2つのセンサー

この2種類の硬さを理解するには、

筋肉の中にある2つのセンサーを知っておく必要があります。

 

筋紡錘:長さと速さを感じるセンサー

 

筋紡錘は、筋肉の中に、筋線維と平行に並んでいます。

平行に並んでいるので、筋肉が伸びると筋紡錘も一緒に伸びます。

そのため、筋肉が

「どれだけ伸びたか」と「どれくらいの速さで伸びたか」を感じ取ることができます。

 

急に伸ばされると、筋紡錘はその筋肉を縮めます。

これが伸張反射です。

 

大事なのは、筋紡錘の感度は一定ではない、ということです。

筋紡錘には、脳からの指令(γ運動ニューロン)で感度を上げ下げする仕組みがあります。

緊張や不安が強いと感度が上がり、少し伸ばされただけでも筋肉を縮めるようになります。

 

1つ目の「縮み続けている硬さ」の人は、

この感度が上がった状態になっていることが多いです。

 

ゴルジ腱器官:引っ張る力を感じるセンサー

 

ゴルジ腱器官は、筋肉と腱のつなぎ目に、筋線維と一直線(直列)に並んでいます。

腱は、片方が骨に、もう片方が筋肉につながっています。

ゴルジ腱器官は、この腱が「どれくらいの力で引っ張られているか(張力)」を感じ取るセンサーです。

 

腱が引っ張られる場面は、2つあります。

 

1つは、力を抜いた状態で、外から筋肉を伸ばされたとき。

このとき、腱よりも柔らかい筋肉の方が先に伸びます。

力は筋肉が伸びることで吸収されてしまい、腱まではあまり届きません。

 

もう1つは、自分で筋肉に力を入れたとき。

筋肉は、縮もうとして腱を直接引っ張ります。

 

一直線に並んでいるので、力がそのまま腱に届き、ゴルジ腱器官ははっきり反応します。

 

壁を押すときのように、筋肉の長さが変わらなくても、力を入れていれば腱は引っ張られています。

そのため、ゴルジ腱器官は、伸ばされたときより、自分で力を入れたときによく反応します。

 

ゴルジ腱器官が反応すると、その筋肉を動かす神経が抑えられ、力が弱まります。

これをIb抑制といいます。

 

ここで知っておきたいことが2つあります。

1つは、ゴルジ腱器官は「強い力がかかったときだけ働く安全装置」ではない、

ということです。

 

そう説明されることもありますが、実際は小さな力から反応していて、

歩く、立つといった普段の動きの中で、力加減を調整するのに使われています。

 

もう1つは、「軽く縮めればゴルジ腱器官が働いて緩む」という説明は、

半分しか正しくない、ということです。

 

力を入れたあとに神経が抑えられるのは、数秒程度です。

それだけで、そのあと筋肉がずっと緩んでいることは説明できません。

 

緩めるとき、体の中で起きていること

 

縮み続けている筋肉は、本人は力を入れているつもりがありません。

なので「力を抜いてください」と声をかけても、なかなか抜けないんですよね。

 

そういうときは、一度その筋肉に力を入れてから、力を抜きます。

力が入っている状態と抜けた状態の差がはっきりするので、

「あ、ここに力が入っていたんだ」と気づけます。

 

入れる力は7割くらいで十分です。

全力で入れると、抜いたあとも力が残ってしまいます。

 

ゴルジ腱器官の働きで力が抜けやすくなるのは、数秒だけです。

そのあとも緩んだ状態が続くかどうかは、本人が抜けた感覚をつかめたかどうか。

ここが大事なところです。

 

伸ばすとき、体の中で起きていること

 

伸ばすときに関わってくるのは、筋紡錘です。

急にぐっと伸ばすと筋紡錘が反応して、伸ばしたいはずの筋肉が縮んでしまいます。

反動をつけて伸ばす前屈などは、まさにこれが起きています。

 

ゆっくり伸ばして柔らかくなるのも、筋肉そのものが長くなっているわけではないんです。

伸ばされることに神経が慣れて、「ここまでは大丈夫」という範囲が少しずつ広がっていく。

そう考えられています。

 

なので、痛いところまで伸ばすと逆効果です。

神経が「危ない」と判断して、筋肉を縮めて止めてしまいます。

 

息を止めて、無理してがんばって伸ばしているときは、まさにこの状態です。

伸ばすときは、反動をつけずにゆっくり。

伸び感は感じるけど痛くない、普通に呼吸ができるところで止めて、30秒ほど待ちます。

 

ストレッチの翌日に筋肉痛みたいになるのはなぜ?

ストレッチをがんばった翌日に、太ももの裏が筋肉痛みたいに張っている。

これは伸ばしすぎです。

 

やった感がある、痛いところまで無理に伸ばすと、筋肉の線維に小さな傷がつきます。

運動のあとの筋肉痛と同じで、翌日や翌々日に痛みとして出てくるんですね。

 

もうひとつ、縮み続けている筋肉を伸ばしたときも、翌日に張りが出ます。

たとえば、肩こりの人が首を横に倒してしっかりグイグイ伸ばす。

 

無理に引き伸ばされた筋肉は、筋紡錘が反応して、さらに縮もうとします。

その場では伸びた気がしても、翌日にはまた張っていて、前より重く感じることもあります。

 

翌日に痛みが出たら、その部位のストレッチは1〜2日お休み。

次からは、痛くないところで止める。

 

縮み続けている筋肉なら、伸ばす前に一度力を入れて抜いてみる。

この2つやってみてください。

 
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