「内臓脂肪を減らす」「脂質の吸収を抑える」「腸内環境を改善する」とか表示されたドリンクを見かけると
なんか良さそう飲むだけで痩せるならとつい買いたくなっちゃいませんか?
最近見かけた「特水」という商品
「BMIが高めの方の内臓脂肪を減らすのを助ける」
と書いてありました。

これを飲むと痩せるの?とも思えますが、その成分や仕組みを理解せずに手に取ってはダメです笑
特水の特徴であるHMPAという成分は、実は体外からしか摂れないものではなく身体の中で自然に生み出すこともできるのです。
「特水」に含まれている機能性関与成分は、HMPA(3-(4-Hydroxy-3-methoxyphenyl)propionic acid)です。
この物質は、フェルラ酸というポリフェノールの一種が、腸内細菌の働きによって代謝される過程で生まれる「代謝物」のひとつ。
フェルラ酸は、以下のような食材に自然に含まれています:
これらを日々の食事で摂取し、それを腸内の微生物が処理することで、体内で自然にHMPAが生成されるプロセスが存在するのです。
その代謝の流れは、次のように表現できます:
① フェルラ酸を含む食材を摂る
② 腸内細菌が酵素で分解(脱メトキシ化)
③ HMPAに変換される
④ HMPAが脂質代謝に働きかける可能性
HMPAには、脂肪の蓄積を抑えたり、脂肪酸の分解を促すメカニズムがあるとされ、近年研究が進められているところです。
なんですが、その効果を得られるにはには大前提があります。
ここで重要なのが、この一連の代謝は、腸内にある微生物(腸内細菌)の助けがなければ成立しないということ。
腸内細菌は人によって種類もバランスも異なります。
たとえば、同じフェルラ酸を摂取しても:
というように、身体の中でどんな代謝産物が生まれるかは、腸内環境に大きく左右されるのです。
つまり、「特水にHMPAが入っているから痩せる」ではなく、
・自分の腸内環境にHMPAの代謝力があるか?
・日々の食事でその素材を摂れているか?
という要素の方が、実ははるかに本質的なのです。
HMPAという成分に注目することは、とても面白い視点です。
でも、HMPAだけが身体に良いわけではなく、私たちの身体は常に複数の代謝ルートと酵素、腸内環境によってバランスを取っているのです。
そして、その土台は、日々の食事、動き、呼吸、休息から作られています。
だからこそ、「これを飲めば痩せるかも」という視点から一度離れて、
「自分の身体の中ですでに起きていること」に目を向けることが、本当の意味でのセルフケアにつながっていくのです。

私が売ってる台湾茶も、単なるリラックス目的ではなく、成分や代謝の仕組みに基づいて選ばれています。
台湾茶は発酵度の違うさまざまな種類があり、同じ茶葉でも加工工程によって含有成分が変化します。
例を挙げると:
これらの成分は体内ではそのまま吸収されるわけではなく、腸内細菌の酵素によって分解→再構築され、代謝物として働くのです。
台湾茶は「香りや雰囲気」だけではなく、科学的な作用機序にもとづいて身体に働きかけている飲み物でもあるんです。
台湾でも日常的に取り入れられてきた根拠のある習慣です。
よく市販されている「痩せるお茶」や「腸活ドリンク」は、特定の成分を抽出・加工した単一成分型の商品が多く見られます。
それに対して台湾茶は、茶葉の細胞や精油、タンニン、微量ミネラルまでを丸ごと摂る多成分摂取の形に近く、素材の持つ代謝ポテンシャルを活かせる飲み物だと言えます。
つまり、同じ飲むという行為でも:
この違いが、数週間・数ヶ月の体調や脂肪代謝の差となって表れてくるのです。
ラベルに書かれた効能やキャッチコピーではなく、「この成分がどう働くのか?」という視点
仕組みを理解して選択できることは、自分にやさしい選択ができることでもあります。
「なんとなく良さそう」「効果がありそう」ではなく、
科学的にどういう働きがあり、それが自分に必要なのかどうかという視点を持つことで、日々の選択がよりクリアになりますよ。
その第一歩が、自分の身体について知ることです。
いろんな情報が溢れる今の時代。
身体に良いとされるものを選ぶ場面は、日常の中にたくさんあります。
けれど、本当に大切なのは「その情報の背景にあるからだのしくみを知っているか」です。
代謝ってなに?
脂肪はどうやって分解されるの?
腸内細菌ってどんな仕事をしてるの?
そんな問いへの理解が、自分の身体にとって“何が合うか・何を選ぶか”の判断基準になっていくのです。
知識は自分を知って自分に優しく生きるための術なのだと思います。
第1弾:解剖学の勉強会(筋肉編)
ピラティスを教える立場としても
自分の身体と丁寧に向き合っていくためにも
まずは身体のしくみを読み解くところから始めてみませんか。
・解剖学書を一緒に読む
・からだの構造を整理
・知識を動きの根拠につなげる時間
仕組みを知ることは、自分を信じる手がかりになる。
「表情筋トレーニングでリフトアップ」「顔ヨガを鍛える」──そんな言葉をよく耳にします。
けれども、“表情を作る”ことそのものが、脳と心拍・呼吸のバランスを乱すことがあるというのはあまり知られていません。
顔は“身体の末端”ではなく、“心と脳の出口”のような場所。
だからこそ、見た目の筋肉運動として扱う前に、感情・神経・呼吸との関係を理解しておく必要があります。

心理学の世界には「顔フィードバック仮説」という有名な理論があります。
人は感情が表情を作るだけでなく、表情が感情を作るという相互関係がある、という考え方です。
つまり、
笑顔を作ると「楽しい」と感じやすくなり、
眉間にシワを寄せると「不安・怒り・緊張」が強まりやすい。
この理論だけを切り取れば、顔ヨガも「笑顔を作ってポジティブになろう」と解釈できます。
しかし、ここに落とし穴があります。
実際の感情と一致しない作り笑いや無理な表情を繰り返すと、脳はそのギャップに混乱します。
本来の「感情 → 表情 → 呼吸 → 心拍」という自然な流れが
「表情 → 感情」へと逆流し、神経系が誤作動を起こすことがあるのです。
① 自律神経のアンバランス
顔には副交感神経(リラックス)と関係の深い三叉神経、そして交感神経の経路が集中しています。
強く動かしたり、緊張を伴う動きを繰り返すと、交感神経が優位になり、
心拍数上昇・浅い呼吸・血圧上昇といった「緊張状態」を引き起こします。
美しく見せようとする行為が、実は身体を戦闘モードにしてしまうことも少なくありません。
② 情動と身体感覚の分離
顔を意図的に動かすと、今の感情と出ている表情の整合性が失われます。
この不一致が続くと、脳の島皮質や前頭前野が混乱し、
「自分の感情がわからない」「気づけば無表情」という状態に。
これは、ストレス性の情動麻痺(アレキシサイミア)に近い反応です。
③ 頭蓋と呼吸リズムの乱れ
顔面の筋肉は頭蓋骨や顎、首の筋群と密接につながっています。
無理な笑顔や目の開閉を繰り返すと、頭蓋の微細な動きが阻害され、
呼吸リズムや脳脊髄液の流れにも影響を与えます。
顔を固める=脳の呼吸を止めることにもなりかねません。
顔の筋肉は「心の鏡」です。
無理に動かすより、内側が穏やかである方が自然に柔らかくなります。
人間の心拍・呼吸・表情は、脳幹にある迷走神経によって連動しています。
迷走神経は“安全”を感じるときに働き、顔や喉、胸の筋肉をゆるめます。
その状態で初めて、「穏やかに笑う」「自然な声が出る」「目が優しく開く」という
本物の表情が生まれるのです。
つまり、表情を変えようとするのではなく、
呼吸と心拍を整えて「安全」を脳に伝えることが先なのです。

ここでおすすめしたいのが「ボックス呼吸」。
海軍特殊部隊(Navy SEALs)でも採用されるほど、
ストレス下で心拍と集中力を保つための呼吸法として知られています。
ボックス呼吸のポイントは「止める時間」。
吸う・吐くだけでなく、間を取ることで脳が静まり、
感情・表情・身体がひとつのリズムに戻っていきます。
リフトアップしたいとき、ほうれい線が気になるとき──。
まずやるべきは「顔を動かす」ことではなく、「呼吸を整えて、心拍を安定させる」こと。
呼吸が整うと、表情筋の緊張と弛緩のバランスが自然に整います。
呼吸に合わせて顔の内圧が微妙に変化し、血流・リンパの流れもスムーズになります。
これこそが“顔を整える”最も安全で持続的な方法です。
身体は部分ではなく、ひとつながりのシステムです。
顔の動きは、骨盤・呼吸・足の安定にまで影響を及ぼします。
例えば、顎を引く角度がわずかに変わるだけで、横隔膜の動きや姿勢制御が変わる。
それほど“顔”は全身の中で繊細なパーツなのです。
だからこそ、顔を「鍛える」ではなく、全身の調和の中で整えるという視点が大切です。
表情筋トレーニングそのものを否定するわけではありません。
ただ、「表情を作れば綺麗になる」ではなく、「呼吸が整えば表情も整う」という順序を大切にしてほしいのです。
感情を無理にコントロールする必要はありません。
ボックス呼吸で安心のサインを脳に送り、
その上で生まれる自然な表情こそが、本当の「美しさ」であり「安定」です。
顔を変えたいなら、まず呼吸を変える。
呼吸が変われば、心拍が変わり、脳が安定し、
そして、穏やかな表情が内側から生まれます。
それが「表情筋トレーニングをしない方がいい」本当の理由です。
「食いしばると頭痛がする」「口が開きにくい」「息が浅い気がする」
前回の記事では、後頭神経の圧迫が引き起こす頭痛・めまいについて解説しました。
今回はさらに一歩踏み込み、後頭神経と連動する「顎関節・呼吸・自律神経」の関係性を解説します。
これらはすべて、首〜頭の筋・神経ネットワークでつながっています。
顎関節の動きを支える側頭筋や咬筋は、後頭部の筋肉と連動しています。
特に側頭筋・胸鎖乳突筋・後頭下筋群は筋膜で連結しており、顎の緊張が後頭神経周囲に波及します。
| 顎関節の状態 | 波及する症状 |
|---|---|
| 噛み締め癖 歯ぎしり |
側頭部〜後頭部の痛み |
| 片側だけで噛む | 首のねじれ・頭部の左右差による緊張 |
| 顎関節の 可動制限 |
顎を動かすたびに後頭部や首に痛みが出る |
呼吸が浅くなると、胸郭と頸部周囲の筋肉(斜角筋・胸鎖乳突筋)が過緊張を起こします。
これにより小後頭神経や第三後頭神経が圧迫される可能性があります。
| 呼吸状態 | 筋肉の反応 | 神経的影響 |
|---|---|---|
| 胸式呼吸が優位になる | 首や肩の筋肉が代償的に緊張 | 小後頭神経や頚神経叢の圧迫 |
| 口呼吸・あごの下が緊張 | 舌骨筋群の拘縮 → 顎関節・首の引きつり | 後頭神経・舌咽神経に連動する緊張感 |
| 呼吸が浅く速い | 自律神経の乱れ・交感神経過活動 | 後頭神経の感受性上昇(ピリピリ感など) |
後頭神経の走行部位(特にC2〜C3)は、自律神経系の節と隣接しています。
交感神経系は、後頭神経の炎症や圧迫を過敏化させるルートを持っています。
ストレスや疲労が強いと、神経痛が慢性化しやすいのもこのためです。
| 自律神経の状態 | 神経痛のパターン |
|---|---|
| 交感神経が優位(緊張・不安) | 一点集中の刺すような痛み/締め付け感 |
| 副交感神経が働かない | 痛みがなかなか引かない/眠りが浅い |
| 自律神経のアンバランス | 後頭神経領域の痛み+胃腸の不調、動悸などの複合症状 |

① 呼吸のリセット
舌を上げて鼻から吸って、口からゆっくり吐く。
ボックス呼吸がおすすめ
② 顎関節の緊張リリース
上顎を引いてリラックス、舌を上げて背骨を上へ。
「イー」と「ウー」を繰り返して筋肉を動かします。
③ 後頭神経ラインのストレッチ
軽くあごを引いたまま、頭を左右どちらかに倒す。
倒した側の反対腕を下に伸ばして、首〜肩のラインを伸ばします。
| 関連部位 | 後頭神経との関係 |
|---|---|
| 顎関節 | 筋膜・咀嚼筋群を通じて後頭部と連動 |
| 呼吸 | 呼吸筋(斜角筋・胸鎖乳突筋)が神経圧迫を引き起こす |
| 自律神経 | 神経の感受性・痛みの慢性化に関与する |
今感じているその「不調」には、ちゃんとつながりがあります。
体は部品ではなく、ひとつのシステム。
首、頭、呼吸、あご、神経、感情……すべては微細に影響し合っています。
だからこそ、「原因がよくわからない不調」に対しては、“部分”ではなく“つながり”から見つめ直す視点が大切です。
ノリコのレッスンでは後頭神経の圧迫による頭痛や睡眠の問題に対応できる
ピラティスや整体を行なっております。
気になってる方はプライベートレッスン、整体をご予約くださいね。
「後頭部がズキズキする」「身体がふらつく」「でも病院では異常なし」
そんな経験はありませんか?原因がはっきりしないまま、毎日を過ごしてしまう不調の背景には
神経の圧迫や姿勢の乱れといった構造と機能の問題が潜んでいることがあります。
この記事では、後頭部に存在する「後頭神経」と
現代人に多い頭部前方位姿勢によって起こる不調との関係を解説します。

後頭部や首すじに分布する感覚神経には、以下の3つがあります。
| 神経名 | 起始部位 | 主な支配領域 |
|---|---|---|
| 大後頭神経(Greater Occipital Nerve) | 第2頚神経(C2)後枝 | 後頭部中央〜頭頂部 |
| 小後頭神経(Lesser Occipital Nerve) | 第2・第3頚神経(C2・C3)前枝 | 側頭部後方〜耳の後ろ |
| 第三後頭神経(Third Occipital Nerve) | 第3頚神経(C3)後枝 | 項部〜首の付け根 |
| 神経 | 主な症状 | 圧迫されやすい部位・関連筋 |
|---|---|---|
| 大後頭神経 | 後頭部のズキズキする痛み、頭頂部のしびれ感 | 後頭下筋群(特に上頭斜筋) |
| 小後頭神経 | 耳の後ろや側頭部後方の違和感、偏頭痛様の痛み | 胸鎖乳突筋の後縁 |
| 第三後頭神経 | 項部の鈍痛、肩甲骨周辺までの関連痛 | 僧帽筋、肩甲挙筋の付着部 |
後頭神経やその周囲の筋緊張は、めまい症状の誘因となることもあります。
| 症状 | 考えられるメカニズム | 関連神経・構造 |
|---|---|---|
| 身体のふらつきや不安定感 | 自律神経の乱れ、頚椎由来の平衡感覚障害 | C2・C3神経、後頭下筋群 |
| 頭を動かした際のふらつき | 頚部筋の過緊張による椎骨動脈の血流低下 | 後頭下筋群、椎骨動脈 |
| 回転性のめまい、吐き気を伴う症状 | 内耳・三叉神経への間接的刺激 | 小後頭神経、頚椎周囲組織 |
画像検査(MRI、CT)では、「構造的な異常」がなければ異常なしと診断されます。
しかし実際には、
といった機能的な問題が、日常的な不調につながっていることも少なくありません。
後頭神経の不調は、「姿勢の見直し」と「血流改善」によって軽減できる場合があります。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 後頭神経の障害 | 頭痛・違和感・めまいの一因となりうる |
| 頭部前方位姿勢 | 神経の圧迫・筋緊張を引き起こしやすい |
| 神経別の症状 | 各神経ごとに特有の圧迫ポイントと痛み |
| セルフケア | 姿勢改善・温熱・ストレッチが有効 |
「噛みしめと後頭部の痛みの関係」
顎関節・呼吸・自律神経と後頭神経のつながりについて掘り下げていきます。
頭痛やめまいが続くと、不安になるのも当然です。しかし、症状の背景に神経や姿勢が関係していると知ることで
適切なセルフケアや施術への道が見えてくるかもしれません。「検査では異常がないけれど、体はつらい」
——そんな悩みにピラティスや整体がお役に立てるかもしれません。頼ってくださいね。

毎日のレッスンで、どんなに姿勢を意識しても、
足の裏がどこを感じているかまでは意外と分からない。
そんな方にこそ試してほしいのが、このPANSI草履です。
「PANSI(パンシ)」は、アフリカの言葉で“地面・大地・足もと”。
立つことの本質に戻るという意味を込めました。
一般的な布草履をベースに、ピラティスの原理から設計。
鼻緒の位置と布のテンションが、足の骨格を自然に整列させ、
足裏のセンサーを呼び覚まします。
「意識しようとしなくても、整う」。
それが、PANSI草履の最大の特徴です。

鮮やかなアフリカ布を使い、日本の職人が一足ずつ丁寧に制作。
美しさと機能性を両立し、足裏の感覚を最適化します。
「履くたびに、足が整う」そんな感覚を、誰もが体験できます。

足の感覚を「再教育」する2時間。
履いて、動いて、姿勢がどう変わるかを確かめます。
開催日時: 11月23日(祝)11:00〜13:00
定員:4名(お申し込み順に柄を選べます)
参加費: 22,000円(PANSI草履付き)
単体販売: 草履のみ 12,000円予定ですが職人手作りのため販売時期未定です
講座内容
1 フットプリントで足型チェック
2 PANSI草履の履き方を練習
3 履いて立ち、安定感を確認
4 履いたまま行うピラティスエクササイズ
5 姿勢チェックと変化の共有
とにかくすごい!これを毎日履いてたら身体変わりそう。
本当にすごい!もう騙されたと思ってみんな履いてみて。
履いただけで身体の中心が感じやすくて力が入る。
履いてマシンに乗るとまっすぐがわかって今までとはぜんぜん別物。
マットの動きも中心を感じるのですごく変わる。
とにかくみんなに履いてほしい。
足裏は、全身のセンサー。
その感覚が変わると、姿勢も動きも変わる。
PANSI草履は、地面を感じることから身体の整列を再教育するためのツールです。
履くだけで、身体の軸が自然に機能していく。
それがPANSIの目的です。
講座のリクエスト開催も受け付けます!
「昨日ちゃんと寝たのに、なんでこんなにだるいんだろう?」
起きた瞬間から身体が重くて、コーヒーを飲んでも頭がぼんやりしたまま。
仕事に向かう準備もダラダラとして、気持ちも上がらない。
そういう状態が慢性的になってくると、自分でも気づかないうちに「これが普通」になってしまうことがあります。
でも本当は、それは身体からのサインかもしれません。
私たちは意外と、自分の疲れに鈍感です。
なぜなら「頑張れば動けてしまう」から。
仕事も家事も、とりあえずこなせてしまうからこそ、「まだ大丈夫」と思い込みがちです。
でも本来、起きたときから疲れているというのはエネルギーの回復がうまくいっていない状態。
そして、その回復に深く関わっているのが副腎や自律神経です。

副腎は、ストレスに対抗するホルモン「コルチゾール」を分泌する小さな器官です。
慢性的なストレスや睡眠不足、栄養の偏りが続くと、副腎が疲弊し、必要なホルモンがうまく出せなくなる。
これが「副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)」と呼ばれる状態です。
現時点では正式な医学診断名ではなく、まだ仮説段階の概念ですが。。
でも、「原因ははっきりしないけれど、ずっと疲れている」という人たちの中には
この副腎疲労に近い状態に陥っているケースがけっこうあります。
コーヒーやエナジードリンクを飲んでも効果を感じない。
むしろ、飲んだあとにだるくなってしまう。
そんなとき、体に必要なのは刺激ではなく回復です。
これは自律神経のバランスが崩れていたり、副腎が慢性的な疲労状態にあるときに起こりやすいサイン。
「頑張って起きる」ことより、「自然と起きられる」身体に整えていくことが必要です。
朝の光は、体内時計をリセットしてくれる大切なスイッチです。
朝起きたらまずカーテンを開け、5〜10分だけでも自然光を浴びることで
副腎ホルモン(コルチゾール)のリズムも整いやすくなります。
夜はできるだけ間接照明に切り替えて、光の刺激を減らすと、睡眠の質も上がりやすくなります。

呼吸は、自律神経と直接つながっています。
疲れているときは無意識に呼吸が浅くなりがち。
1日3分だけ、「鼻から吸って、口からゆっくり吐く」呼吸を繰り返すだけで、身体の緊張が抜けて回復モードに入りやすくなります。
私が最近おすすめしているのがボックス呼吸。レッスンでもお伝えしていきますね。
寝る前のスマホ、習慣になっていませんか?
情報が多すぎると、脳も副腎もずっと刺激を受け続けてしまいます。
就寝1時間前はスマホを閉じ、静かな時間を持つことで、身体が本当に休まる時間を作ることができます。
そうは言っても私はスマホ依存症なのでこれは無理ですが・・・w
できる方はやりましょう。
マグネシウム、ナトリウム、亜鉛、鉄分などは、副腎や神経伝達に関わる重要な栄養素です。
激しい運動やストレス、偏った食生活で不足しがちなので、意識して摂ることがポイントです。
例えば:味噌汁、海藻、ナッツ、赤身肉、レバー、天然塩などから自然に補えます。
ゆっくり歩く、湯船に浸かる、軽く身体を伸ばす。
そういった「力を抜く時間」は、副交感神経を優位にし、疲労回復を促してくれます。
何かをする、というより「何もしない」ことを意識してみてください。
「朝起きる=気合い」と思っている方も
呼吸を整える、夜スマホを閉じる、ミネラルを摂るなど、小さな習慣を少しずつ取り入れていくことで、
少しずつ身体の反応が変わってきたと感じます。
もちろん劇的に変わるわけではありません。
でも「だるさの底」が浅くなる感覚、「これなら今日もいけるかも」と思える朝が増えていく感覚。
そういう積み重ねが、自分の生活を支える柱になっています。
慢性的な疲れや、朝のだるさに悩んでいる人はとても多いです。
でも、その原因は努力不足ではなく、回復の仕組みがうまく働いていないだけ。
「ちゃんと寝てるのに疲れが取れない」と感じたときこそ、
今回紹介したような小さな習慣から、整えるきっかけを作ってみてください。
ピラティスを生活の中に取り入れるのもおすすめです。
慢性的な疲れが取れない方もご相談くださいね。
最近は日々のレッスンの中で、「呼吸」について丁寧に観察する時間をとっています。
今回はその中でも、いくつかの呼吸法を紹介しながら、身体との関係性について少し深掘りしてみようと思います。

呼吸にはいくつか種類があります。
それぞれ、吸ったとき・吐いたときに、身体がどう動くのかを比べてみると面白いです。
• 腹式呼吸
吸う:お腹が膨らむ
吐く:お腹が凹む
• 逆腹式呼吸
吸う:お腹が凹む
吐く:お腹が膨らむ
• 胸式呼吸
吸う:お腹が凹む
吐く:お腹も凹む
どれも「吸う・吐く」という呼吸そのものは同じだけど
動いている筋肉や動きの方向、安定する場所などまったく違ってきます。
共通して大切なこと:「余計な力を抜く」
呼吸法というとつい深くしっかり呼吸しないとというスイッチが入って
頑張り始める方が多いですが
共通して大事なことは
「余計な力を抜いていくこと」です。
そのために必要なのは、
「今、自分の身体がどうなっているのか?」を感じ取る感覚。
つまり、脳と身体の情報交換です。
実際にレッスンの中で、呼吸を使って身体の状態を感じてみてもらうと
「ここのあたり分かりにくいな」「え?ここ動いていないかも」という感覚が出てくる方も多くいます。
そうした場所は、感覚が薄く、意識が届いていないことが多いです。
頑張ろう!ちゃんとやらなきゃ!と思えば思うほど、逆に本当に必要な場所から意識が逸れていってしまう。
だからこそ、意識がいきにくい場所を、少しずつやさしく起こしてあげることが大切になります。

現実の人間関係でも「見て見ぬふり」「無視」していると相手は離れていきますよね。
それと同じように、身体の中で、違和感あるのに気のせいとほったらかし続けていたとしたら?
その場所は、反応しなくなったり、やがて痛みとしてサインを出すようになります。
膝や腰、肩の違和感。
「気づいてほしい」という身体からのメッセージかもしれません。
自分の身体に、意識や感覚を向ける練習。
それは、集中力もいるし根気のいる作業です。
でも、私たちはこの身体と、ずっと一緒に生きていきます。
だからこそ、少しずつでも
「今、自分の身体はどうなっているのか?」を感じる時間を持ち続けていけたらと思います。
ピラティスを続けて調子が良くなってくると、少しの変化にも気づきやすくなります。
「ここが動かしやすくなった」「あそこが変わった」と、身体の反応を感じられるのはとても嬉しいことですよね。
一方で、なかなか変化を感じにくい方もいらっしゃいます。
でもそれは悪いことではなく、身体の変化を脳がまだ感じ取れていないだけなんです。
感じ取れるようになるほど、身体も調子も整っていきます。
その“感覚を磨く”ために大切なのが、呼吸と心拍のリズムを整えること。
そこでおすすめしたいのが「ボックス呼吸」です。

ボックス呼吸(Box Breathing)は、もともとアメリカ海軍特殊部隊「Navy SEALs」で採用されていた呼吸法です。
極度の緊張状態やプレッシャーの中でも冷静さを保ち、正確な判断をするために使われていました。
戦闘や救助のような高ストレス環境では、呼吸が乱れると心拍が上がり、思考が鈍くなります。
ボックス呼吸は、その逆――つまり、呼吸を意識的に一定に整えることで心拍を安定させ、脳を冷静な状態に戻すことを目的に開発されたものです。
現在では、スタンフォード大学やハーバード大学などでも呼吸法の神経科学的研究が進み、ボックス呼吸が自律神経と心拍の安定に寄与することが報告されています。
つまりこの呼吸は、ただのリラックス法ではなく、「集中・冷静・安定」を生理的に取り戻すための方法なんです。

ボックス呼吸の効果を支えているのが、心拍コヒーレンス(Heart Rate Coherence)です。
これは「呼吸と心拍のリズムが整い、波が滑らかに同期している状態」を指します。
呼吸を整えると、吸うときに心拍が上がり、吐くときに下がるという自然なリズムが生まれます。
このリズムが一定の波形を描くと、自律神経(交感神経と副交感神経)の協調性が高まり、心拍が安定します。
心拍コヒーレンスが高い状態では、脳の扁桃体(感情の反応を司る部分)の過剰な反応が抑えられ、冷静さ・判断力・感情の安定が保たれます。
また、ホルモンバランスや免疫機能にも良い影響を与えることが、研究でも示されています。
逆に、ストレスが高いと呼吸が浅くなり、心拍の波形が乱れます。
それが「落ち着かない」「集中できない」といった不調につながるのです。
つまりボックス呼吸は、意識的に呼吸と心拍を整えることで、心拍コヒーレンスを最適化する科学的なトレーニングなのです。

ボックス呼吸は、誰でも・どこでも・短時間で実践できるセルフケアです。
もともとは軍のメンタルトレーニングとして使われていたほど、信頼性と再現性の高い呼吸法。
呼吸を整えることで、心と身体のリズムが整い、自然と集中・安定・回復の力が引き出されます。
呼吸が整うと、身体の内側の変化にも気づきやすくなります。
でも、呼吸と身体のつながりは“頭で理解する”よりも、実際に体で感じることが何より大切です。
11月、12月のレッスンでは、ボックス呼吸を取り入れながら、
「動きながら整う」「感じながら変わる」体験をしていきます。
呼吸のリズムが安定すると、動きの質もぐっと変わります。
もし最近、
・呼吸が浅い気がする
・身体の変化が感じにくい
・心が落ち着かない時がある
そんな方は、一度レッスンで整う呼吸を体感してみてください。
私たちは日々、外の世界に反応しながら生きています。
緊張、不安、焦り、考えすぎ。
そんな中で、ふと「自分らしさ」や「落ち着き」がどこかへ行ってしまったように感じる瞬間があるかもしれません。
でも実は、私たちの内側には、静かに調和し直す力がもともと備わっています。
それを思い出させてくれるのが、
「コヒーレンス(Coherence)」という概念です。

コヒーレンスとは、心拍、神経系、感情、脳の活動が調和し、一貫性をもって働いている状態を意味します。
これは一種の“生理的な整いの状態”であり、「テクニック」の名前ではありません。
もっとも特徴的なのは、心臓のリズム(心拍変動)が滑らかなサインカーブを描くように整っていること。
この状態では、
• 自律神経のバランスが取れている
• 感情が安定している
• 思考がクリアになり、判断力が高まっている
という、心と身体が一体として機能する自然な“最適モードが現れます。
私たちの心臓は、ただ血液を送るポンプではありません。
常に脳と双方向で情報をやり取りしている「感情的な臓器」でもあります。
心拍のパターンは、
• 脳の情動中枢(扁桃体)
• 意思決定や思考をつかさどる領域(前頭前皮質)
に影響を与えていることが、現代の神経科学で明らかになっています。
つまり、心拍が乱れると、感情も乱れる。
逆に、心拍が整うと、感情も整っていく。
その「整った状態」が、コヒーレンスなのです。
この理想的な状態は、偶然に訪れるものではありません。
私たちは意図的に整えることができるのです。
その手段のひとつが、呼吸を整えること。
たとえば:
• 一定のリズムでゆっくり呼吸する(例:5秒吸って5秒吐く)
• 呼吸に注意を向けることで、今この瞬間に戻る
• 緊張をほどくように息を吐き、内側にスペースを作る
これらのシンプルな実践が、心拍のリズムを穏やかにし、
結果としてコヒーレンス状態へと導いてくれます。
コヒーレンス状態にあるとき、私たちにはこんな変化が起こります:
• イライラや不安が静まり、感情が安定する
• 雑念が減り、集中力や記憶力が高まる
• 判断が冷静になり、視野が広がる
• 心がしなやかになり、人との関わりがやさしくなる
何かを足すのではなく、本来の自分のリズムに戻ることで、
すでにある力が自然と引き出されるのです。

“今ここ”に戻る力は、いつでも私たちの内側にあります。
静かに呼吸を感じてみる。
手を胸と下腹に当て、心臓の鼓動にそっと意識を向けてみる。
呼吸を感じてみる。
心と身体のリズムがつながり、自分の真ん中にある「今ここ」が見つかります。
コヒーレンスとは、自分を整えようとする努力ではなく
「整っている自分」に気づくことです。
私たちの体を一日中支えてくれている「足」。
歩くときも、立ち仕事でも、おしゃれを楽しむときも、足はずっとがんばってくれています。
なんですが、ふと気づくとお手入れは後回しにされがち…。
顔や手には気を遣っていても、「足はちょっと放置してたかも…」という方も多いのではないでしょうか。
そんな方にこそ、今日からは“足元からのセルフケア”を始めてみてほしいのです。
足を丁寧に洗い、整え、潤す。
この習慣で、匂いやガサガサのトラブルが減ってふわふわしっとりの足になるはずです。

お湯は38〜40度のぬるま湯が理想的。
熱すぎると乾燥の原因になるので、ほんのりあたたかく感じる程度が◎です。
石けんやボディソープは、洗浄力の強すぎない優しいものを選びましょう。
洗うときは、足裏、かかと、指の間、そして爪のまわりまで丁寧に。
ごしごし擦るのではなく、手のひらや柔らかいタオルで「撫でるように」洗うのがポイントです。
足専用ソープや、重曹を入れた足湯を使えば、気になるニオイや角質ケアにも役立ちますよ。

爪のお手入れは、見た目だけでなく健康のためにも大切なケアです。
とくに気をつけたいのが、深爪や無理なカット。
白い部分を1ミリほど残すくらいの自然な長さが、足にとって一番優しい長さです。
形を整えるときは、カーブを強くつけすぎないこと。
特に足の親指などは、まっすぐ気味にカットすることで巻き爪の予防にもなります。
ベストタイミングはお風呂上がり。
爪が柔らかくなっていて、カットしやすくなっています。
爪切りの後は、やすりを一方向に優しくかけてバリを取ると、ストッキングや靴下を傷つける心配も減ります。
また、甘皮が気になる場合は、無理に切らずにぬるま湯でふやかしてから、やさしく押し上げて整える程度で十分です。
いちばん大切にしたいステップが「保湿」です。
特にかかとは乾燥しやすく、ひび割れや硬くなるトラブルが起きがち。
お風呂上がりの清潔な状態で保湿するのが、一番のタイミングです。
お持ちの保湿クリームで大丈夫なので、え?こんなに塗るの?というくらい
しっかり塗りましょう。

おすすめはラノリンクリーム。
ラノリンとは、羊毛から得られる天然のオイルで、ヒトの皮脂にとても近い成分なんです。
そのため肌なじみがよく、乾燥した肌にもぐんぐん浸透してくれます。
かかとのゴワつきや足裏のカサつきには、ラノリン入りクリームをたっぷり塗って、優しくマッサージしてみてください。
さらに、クリームを塗ったあとは綿素材の靴下を履いて、うるおいを閉じ込めてあげると◎。
眠っている間に、ふっくらやわらかな足へと導いてくれますよ。
無添加なので赤ちゃんにも使える、ペットも大丈夫。
ノリコオリジナルで作ったラノリンクリームはスタジオで販売しています。
足のケアは、清潔にする・爪を整える・保湿する、この3つを意識するだけで十分です。
特別な道具や高価なアイテムは必要なく、毎日の習慣として続けることが何より大切です。
清潔で健康的な足を保つことで、歩きやすさや快適さがぐっと変わります。
そして、見えない場所を丁寧に扱うことで、心が落ち着き、自分への信頼感が育まれていきます。
明日を軽やかに歩けるように、ゆっくりと足を癒してあげてくださいね。
足のお手入れができたら、関節のケアのこちらの講座もおすすめです