筋肉の学びシリーズ
今回は鎖骨下筋
まずは付着部
起始 第1肋骨軟骨境界前面
停止 鎖骨外側下面
作用は一番上の肋骨と鎖骨をつなぐように走行している
鎖骨を前方・下方に引く
胸鎖関節の動きのサポート
鎖骨下筋は、胸鎖関節を安定させる働きもあります。
腕を動かすとき、肩甲骨が滑らかに広範囲に動くことができるのは
この鎖骨下筋のおかげなのですね。
上腕骨は肩関節(肩甲上腕関節)で肩甲骨につながっています。
そして鎖骨を介して胸骨に連結されているのです。
胸郭と肩甲骨は関節がなく
肩甲骨が上にのっかっているだけです。
肩甲骨の動きの支点は胸鎖関節にあります。
大きな負担のかかる場所なので関節の動きを鎖骨下筋肉がサポートしているのです。
ちなみに鎖骨は、人など霊長類とリスなどの手を使う動物にしかないです。
逆に、四足で移動するような動物、イヌ、ネコ、ウシなどでは鎖骨が退化しています。
鎖骨が退化したこのような動物ではハグの動作はできません。
ネコの鎖骨チェックしてみましたが
ありませんでしたよ。
腕を外転し、耳の横まで挙げてくる動きでは
肩関節のみでは上まで上がりません。
1/3くらいの可動範囲は肩甲骨が胸郭表面をすべるように
上方に回旋することで可能になっています。
胸鎖関節で鎖骨が挙上していくことで肩甲骨を回旋させているのです。
そう。
鎖骨が動かないと肩甲骨は動けないんですよ。
腕を動かすのは鎖骨からなのです。
鎖骨下筋が硬まると肩甲骨と肋骨の動きが悪くなり
発声がうまくいきません。
鎖骨が美しい人は声も美しいというのもそういうこと。
地味な筋肉ですが大事な筋肉ですね。