️ 呼吸のたびに、身体はどう動いている?
私たちは1日に約2万回、呼吸を繰り返しています。
「そのたびに身体がどう動いているか」を意識する人なんかいませんよね
特に注目したいのが肋骨の動き。
肋骨は上・中・下で構造も動き方も異なっていて、それぞれが呼吸に深く関わっています。
今回は、関節構造に基づいた肋骨の動きと、呼吸の質について整理します。
上部肋骨(第1〜3肋骨)
• 関節構造:胸椎との接合面がほぼ水平に近く、動く軸が前後方向
• 動き方:吸気で肋骨が上へ持ち上がる(ポンプハンドル様運動)
• 関与する筋肉:斜角筋、胸鎖乳突筋、前鋸筋上部など
▶ こんな特徴がある人へ
• 呼吸時に肩が上がる
• 首や肩がいつも張っている
• 息が浅く、早くなりがち
→ 斜角筋は本来、呼吸をサポートする補助的な筋肉です。
いつもここばかり使って呼吸していると、首や肩に余分な緊張が生まれ、疲れやすくなります。
中部肋骨(第4〜7肋骨)
• 関節構造:軸が斜め下方向で、左右への広がりが出やすい
• 動き方:吸気で肋骨が外側に広がる(バケツハンドル様運動)
• 関与する筋肉:外肋間筋、横隔膜中部線維など
▶ ここが動いているときの特徴
• 肋骨の横(脇の下周辺)がふくらむ
• 肩や首は力まず、静かに息が入る
• 呼吸後に自然に肋骨が戻る感覚がある
→ この部分の動きが感じられると、息が深く入りやすく、呼吸によって体幹が安定しやすくなります。
下部肋骨(第8〜12肋骨)
• 関節構造:自由度が高く、軟骨の柔らかさにより外下方に動く
• 動き方:吸気で外斜め下に広がり、呼気で戻る(カリパー様運動)
• 関与する筋肉:横隔膜下部、腹横筋、内腹斜筋など
▶ 動きが出ているときの特徴
• 吸気で肋骨の下がやや横・後ろに広がる
• 腰や骨盤のあたりまで空気が届くような感覚
• 吐いたときに腹部が自然に薄くなる
→呼吸のとき、下部肋骨が前に大きく開いてしまう人もいます。
そうなると、みぞおちが前に突き出て、お腹の力が抜けやすくなります。
本来は、肋骨が横や背中側にも広がることで、腹部や体幹のバランスが取りやすくなります。
全体としてのポイント
呼吸するときに:
• 肩が持ち上がってないですか?
• 胸の横、肋骨の横幅が動いていますか?
• 肋骨の下部が動いていますか?
呼吸の「質」を整理してみましょ。
自分の呼吸を観察することは、身体の調子を整える最初の一歩です。
まずは吸ったときにどこが広がって、吐いたときにどう戻るか、感じてみてください。