最近は日々のレッスンの中で、「呼吸」について丁寧に観察する時間をとっています。
今回はその中でも、いくつかの呼吸法を紹介しながら、身体との関係性について少し深掘りしてみようと思います。

呼吸にはいくつか種類があります。
それぞれ、吸ったとき・吐いたときに、身体がどう動くのかを比べてみると面白いです。
• 腹式呼吸
吸う:お腹が膨らむ
吐く:お腹が凹む
• 逆腹式呼吸
吸う:お腹が凹む
吐く:お腹が膨らむ
• 胸式呼吸
吸う:お腹が凹む
吐く:お腹も凹む
どれも「吸う・吐く」という呼吸そのものは同じだけど
動いている筋肉や動きの方向、安定する場所などまったく違ってきます。
共通して大切なこと:「余計な力を抜く」
呼吸法というとつい深くしっかり呼吸しないとというスイッチが入って
頑張り始める方が多いですが
共通して大事なことは
「余計な力を抜いていくこと」です。
そのために必要なのは、
「今、自分の身体がどうなっているのか?」を感じ取る感覚。
つまり、脳と身体の情報交換です。
実際にレッスンの中で、呼吸を使って身体の状態を感じてみてもらうと
「ここのあたり分かりにくいな」「え?ここ動いていないかも」という感覚が出てくる方も多くいます。
そうした場所は、感覚が薄く、意識が届いていないことが多いです。
頑張ろう!ちゃんとやらなきゃ!と思えば思うほど、逆に本当に必要な場所から意識が逸れていってしまう。
だからこそ、意識がいきにくい場所を、少しずつやさしく起こしてあげることが大切になります。

現実の人間関係でも「見て見ぬふり」「無視」していると相手は離れていきますよね。
それと同じように、身体の中で、違和感あるのに気のせいとほったらかし続けていたとしたら?
その場所は、反応しなくなったり、やがて痛みとしてサインを出すようになります。
膝や腰、肩の違和感。
「気づいてほしい」という身体からのメッセージかもしれません。
自分の身体に、意識や感覚を向ける練習。
それは、集中力もいるし根気のいる作業です。
でも、私たちはこの身体と、ずっと一緒に生きていきます。
だからこそ、少しずつでも
「今、自分の身体はどうなっているのか?」を感じる時間を持ち続けていけたらと思います。