「食いしばると頭痛がする」「口が開きにくい」「息が浅い気がする」
前回の記事では、後頭神経の圧迫が引き起こす頭痛・めまいについて解説しました。
今回はさらに一歩踏み込み、後頭神経と連動する「顎関節・呼吸・自律神経」の関係性を解説します。
これらはすべて、首〜頭の筋・神経ネットワークでつながっています。
顎関節の動きを支える側頭筋や咬筋は、後頭部の筋肉と連動しています。
特に側頭筋・胸鎖乳突筋・後頭下筋群は筋膜で連結しており、顎の緊張が後頭神経周囲に波及します。
| 顎関節の状態 | 波及する症状 |
|---|---|
| 噛み締め癖 歯ぎしり |
側頭部〜後頭部の痛み |
| 片側だけで噛む | 首のねじれ・頭部の左右差による緊張 |
| 顎関節の 可動制限 |
顎を動かすたびに後頭部や首に痛みが出る |
呼吸が浅くなると、胸郭と頸部周囲の筋肉(斜角筋・胸鎖乳突筋)が過緊張を起こします。
これにより小後頭神経や第三後頭神経が圧迫される可能性があります。
| 呼吸状態 | 筋肉の反応 | 神経的影響 |
|---|---|---|
| 胸式呼吸が優位になる | 首や肩の筋肉が代償的に緊張 | 小後頭神経や頚神経叢の圧迫 |
| 口呼吸・あごの下が緊張 | 舌骨筋群の拘縮 → 顎関節・首の引きつり | 後頭神経・舌咽神経に連動する緊張感 |
| 呼吸が浅く速い | 自律神経の乱れ・交感神経過活動 | 後頭神経の感受性上昇(ピリピリ感など) |
後頭神経の走行部位(特にC2〜C3)は、自律神経系の節と隣接しています。
交感神経系は、後頭神経の炎症や圧迫を過敏化させるルートを持っています。
ストレスや疲労が強いと、神経痛が慢性化しやすいのもこのためです。
| 自律神経の状態 | 神経痛のパターン |
|---|---|
| 交感神経が優位(緊張・不安) | 一点集中の刺すような痛み/締め付け感 |
| 副交感神経が働かない | 痛みがなかなか引かない/眠りが浅い |
| 自律神経のアンバランス | 後頭神経領域の痛み+胃腸の不調、動悸などの複合症状 |

① 呼吸のリセット
舌を上げて鼻から吸って、口からゆっくり吐く。
ボックス呼吸がおすすめ
② 顎関節の緊張リリース
上顎を引いてリラックス、舌を上げて背骨を上へ。
「イー」と「ウー」を繰り返して筋肉を動かします。
③ 後頭神経ラインのストレッチ
軽くあごを引いたまま、頭を左右どちらかに倒す。
倒した側の反対腕を下に伸ばして、首〜肩のラインを伸ばします。
| 関連部位 | 後頭神経との関係 |
|---|---|
| 顎関節 | 筋膜・咀嚼筋群を通じて後頭部と連動 |
| 呼吸 | 呼吸筋(斜角筋・胸鎖乳突筋)が神経圧迫を引き起こす |
| 自律神経 | 神経の感受性・痛みの慢性化に関与する |
今感じているその「不調」には、ちゃんとつながりがあります。
体は部品ではなく、ひとつのシステム。
首、頭、呼吸、あご、神経、感情……すべては微細に影響し合っています。
だからこそ、「原因がよくわからない不調」に対しては、“部分”ではなく“つながり”から見つめ直す視点が大切です。
ノリコのレッスンでは後頭神経の圧迫による頭痛や睡眠の問題に対応できる
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