肩甲骨の動きに違和感があったり、腕を上げにくく感じることはありませんか?
その背景に「翼状肩甲骨(よくじょうけんこうこつ)」という状態が関わっているケースがあります。
これは、肩甲骨の内側が背中から浮き上がるように見える状態で、見た目だけでなく、腕や肩の機能にも影響を及ぼします。
この状態を改善するために重要なのが「前鋸筋(ぜんきょきん)」という筋肉です。
前鋸筋とは?
前鋸筋は、肋骨の側面から肩甲骨の内側に向かってついている筋肉です。
腕を前に伸ばしたり、肩甲骨を体に安定させるときに働きます。
この筋肉の特徴は:
肩甲骨を胸郭に引き寄せて安定させる
肩甲骨を外側に動かす(外転)
腕を上げるときに肩甲骨を上に回す(上方回旋)
つまり、前鋸筋がしっかり働いていることで、肩甲骨は「支えられたまま、スムーズに動く」ことができるようになります。
▶︎ 前鋸筋の解剖学的には
起始:第1〜第8または第9肋骨の外側面
停止:肩甲骨の内側縁(特に下角)
支配神経:長胸神経(C5〜C7)
この筋肉がうまく働かないと、肩甲骨が内転・下制しやすくなり、代償的に僧帽筋や肩甲挙筋などが過剰に働いてしまいます。
なぜ前鋸筋が弱くなるのか?
現代の生活では、前鋸筋がうまく働きにくい状況がよくあります。
たとえば:
長時間のパソコン作業やスマートフォンの操作で姿勢が前かがみになる
胸の筋肉が緊張しやすく、肩が内に巻きやすい
肩や腕を正しく使う機会が少ない
こうした状態が続くと、前鋸筋が使われにくくなり、肩甲骨が安定しづらくなります。
その結果、肩甲骨が浮く(翼状肩甲骨)、肩がすくむ、腕が上がりにくいなどの問題が出てくるのです。
改善するには?
前鋸筋を「意識して使う」ことが改善の第一歩です。
◎ 肘を伸ばしたまま肩甲骨をさらに前に押し出す動作。
肩甲骨を外側に動かすことで、前鋸筋が働きやすくなります。
大切なのは「使える状態に戻す」こと
筋力だけでなく、動かし方・感じ方・姿勢もセットで整えていくことが、根本的な改善につながります。
前鋸筋がしっかり働くことで、肩甲骨が安定し、腕の動きもスムーズになります。
その結果、肩こりの軽減や、姿勢改善、呼吸の質の向上にもつながります。
肋骨がパカーンと開きやすい人にもとってもおすすめ。
KANONのレッスンや講座では、こうした筋肉の「ただ鍛える」ではなく
「機能的に使えるようにする」ことを重視してお伝えしています。
6月15日の講座でもこのあたりもやっていこうと思ってるので
お久しぶりの方も、いつもの方も、養成コース参加した方も
是非是非お越しください。